息子が20歳になった。
7月29日のその日は
あの時と同じ曇り空だった。
病院から朝、職場に連絡があり
まだ始業前だったので
そのまま、病院に駆けつけた。
保育器の中にいる
息子を初めて見た時、
まだ親になった実感は、湧いてこなかった。
退院する時
奥さんからはいと渡されて
君を初めて抱いた。
その頼りなさげな、身体の重みを
初めて両手に抱いた時、
親としての自覚と愛情が
湧いてきた。
それから20年。
色々なことがあった。
でも、君はいつも親としての喜びを
私と奥さんに、与え続けてきてくれた。
乾杯。
私が一番待っていたのは
今日、この日だったのかもしれない。